麻疹(はしか)マニュアル

 

麻疹の合併症

麻疹を発症すると、合併症にもかかりやすくなってしまいます。麻疹そのものの心配に加え、二次かんせんによって起こる合併症についても気にかける必要があります。肺炎や脳炎など命にかかわる病気も少なくありません。おもな合併症の知識を身につけておくことも大切です。

中耳炎

 

中耳炎は「はしか」にかかった人の約5〜15%がなると言われています。麻疹には付き物の合併症といってもいいかもしれません。特に赤ちゃんの場合、症状を訴えないこともあるので、十分注意しましょう。中耳炎とは、耳の鼓膜の内側の中耳にサイキンなどによって炎症が起きる病気です。小さいうちは機嫌が悪い、しきりに手を耳に持っていっては大泣きする、夜泣きがひどい、ミルクを飲まないなどの様子が見られたら中耳炎の疑いがあります。また中耳炎の症状の一つに発熱があげられます。高熱だったり、微熱だったり様々ですが、麻疹の症状は治りかけているのに熱が下がらず、耳の痛みや耳だれが出てきたら、受診しましょう。

気管支炎

 

麻疹のはげしい咳の症状から気管支炎を合併することがあります。一口に気管支炎といっても、軽い症状のものから肺炎になる一歩手前のものまで様々です。喉から下の気管支の部分が炎症を起こすものを気管支炎といいます。この気管支炎の最大の特徴は咳…。「はしか」も咳が強く出て、しかも発疹が治まったあともしばらくは続きます。なので、合併症として気管支炎の症状があらわれていてもすぐ気づかないことも多いようですね。麻疹の完治後もゴホゴホとはげしい咳がとれずに咳き込んで吐いてしまったり…。そんな症状が1週間以上続き、胸が痛くなったり、ゼーゼーする音が聞こえる場合は気管支炎になっていることが考えられます。さらに発熱が続くこともサインの一つと見ていいでしょう。部屋の乾燥に注意してください。

肺炎

「はしか」にかかったあと、気管支炎の延長で肺炎を引き起こしてしまう可能性もあります。程度によっては入院治療が必要になるため、気をつけなければなりません。肺炎は40℃近い高熱が下がらず、痰のからんだ咳と鼻水もとまりません。早急に治療しなければ、とても怖い病気です。息づかいが荒く、呼吸困難に陥ることも…。小さな子供などはこれらの症状のため、機嫌がとても悪くなります。麻疹の症状が落ち着いてからも、熱が4日以上続いたり、咳などが治まる気配がなければ受診しましょう。夜中でも様子がおかしいようなら朝まで待たずに病院へ行きましょう。

「ウイルス性脳炎」

「ウイルス性脳炎」は麻疹の発疹が出てから2日〜1週間のあいだに発症しやすい合併症です。「はしか」にかかった人の1000人に1人くらいの割合で発症します。嘔吐や頭痛、けいれん、意識障害などの症状があらわれます。麻疹のために出た高熱が下がることなく、嘔吐などを繰り返したり、眠ってばかりいる、意識がもうろうとする…このようなことがあれば「ウイルス性脳炎」が疑われます。一刻も早い受診が必要となります。

SSPE(亜急性硬化性全脳炎)

上記の脳炎の中でも一番怖いのが、このSSPE といわれています。SSPEは亜急性硬化性全脳炎とよばれ、麻疹にかかったあと6〜7年後に発症するとされています。このような恐ろしい合併症が起こるのは非常にまれですが、それでも絶対にならないとは残念ながら言い切れません…。日本では小児人口の100万人に0.57人の割合で発症します。学力低下や行動異常に運動障害やてんかんが加わり、意識障害が出てやがてはこん睡状態に陥ります。ワクチン接種していたほうが、SSPEにはなりにくいと考えられます。

その他の合併症

これまで紹介してきた合併症のほかにも、色んな合併症の症状が出てくる場合があります。「はしか」で出た症状がそのまま合併症として出続ける下痢や口内炎、それから麻疹の症状が悪化したものとしてカンジダ症、喉頭炎などが挙げられます。